常設展
常設展示室内では、草野心平の生涯と作品を紹介しています。室内は、時間の経過とともに音や光が変化。カエルや虫たちの声、水のせせらぎと光の色の組み合わせによって心平の「すべてのものと共に生きる」作品世界を体感することができます。
展示の構成
草野心平の生涯とその時代
人生と時代・詩の変化
まるでタイムトンネルのようなドーム状の展示内部では、ジグザクロードとも言える心平の生涯と交友、そして作品を紹介しています。奥に進むつれ、85年間に渡る心平の歩みをたどることができます。
人間性を物語るエピソード
転居にみる人との交流
16歳で故郷を出てから40数年間、心平は日本国内だけでも合計32回の引越しをしています。中でも貧しかった20代から30代にかけては20数回の引越しをしましたが、その多くは家賃の支払いに行き詰ってのいわば「遁走」でした。ここでは、転居年譜とその転居の中で心平に寄せられた書簡を紹介しています。
居酒屋「火の車」
心平は生涯に様々な商売を手がけました。「火の車」は、1952(昭和27)年、東京都文京区田町に開いた居酒屋で、心平がカウンターで包丁を握り、奥の四畳半で寝起きをして健筆をふるったという記念碑的場所です。
石ころたち
コレクションの趣味などない心平が、ただひとつ、こだわって集め続けたもの、それが名もない石ころたちでした。地球の奥深く、幾万年と眠り続けた石の孤高と時間。小さな石を手にとって見つめるとき、心平はそこにミクロコスモスを感じるといいます。
命名の達人
心平が「命名の天才」だったことは誰もが認めます。命名とは、心平にとって最も短い詩の形態だったのかもしれません。ここでは作品に登場するカエルをはじめとした動物に命名した名前を紹介しています。心平が実生活で共に暮らした動物たちの名前もあります。
作品に見る草野心平の世界
モチーフ
心平が作品のモチーフとしていた世界を紹介しています。心平にとっての「生」、また彼の宇宙観にある「天」というモチーフを、本人の言葉とそれらを描いた作品によって紹介しています。
表す・奏でる
心平の詩的世界の中でも特に独創性にあふれた文字使い、擬音で構成された詩、そしてイメージの広がりと豊かな言語感覚を紹介しています。また、心平自身の肉声による自作詩朗読コーナーもあります。